校長雑感/「信田煮」って?
2025年12月10日 16時00分今日の給食の献立に、「信田煮(しのだに)」という言葉を見つけました。恥ずかしながら、私は50年以上も生きてきて、この料理名を目にするのは初めてだったように思います。目の前の給食を見ても「信田煮」って何?…でした。
インターネットで調べてみると、信田煮は「油揚げ」を使った煮物のことだと分かりました。思い返すと、我が家でも何気なく食べていましたが、その料理名を追究することはありませんでした。
関西地方では、古くから油揚げを「信田」と呼ぶそうです。これは、油揚げがキツネの好物であるという言い伝えと、キツネが登場する大阪の「信太(信田)の森の伝説」に由来があるそうです。
油揚げの中に野菜・きのこ・ひき肉がぎっしり詰まった今日の「信田煮」を、その物語を知ってから味わうと、いつもよりも特別で、心温まる一品に感じられました。
学校給食は、ただ栄養をとるためだけではなく、私たちが知らなかった新しい言葉や、自分とは違う郷土の文化、そして料理に込められた人々の知恵に出合える貴重な時間なのだと再認識しました。
ご家庭でも、献立表を見ながら、「これはどういう意味だろうね?」「どうやって作るのかな?」と、食卓での会話を楽しんでみてはいかがでしょうか。私は、インターネットで調べる過程で、「いとこ煮」や「具足煮」などの料理にも出合いました。
今日は、給食を通して、子どもたちの好奇心、日本や故郷を愛する心、食に感謝する心などを育んでいくことの大切さを改めて考えさせられました。